【埼玉】夏の自転車1400kmの旅【北海道】

北海道行きてー!ってことで自転車で北海道行ってきました。
目指すは最北端、宗谷岬

 

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実測で1433kmだったので大体このルート。

必要最低限の荷物だけ積み込んで行ったので、自転車の旅ってこんな感じでも行けるんだ~という一つの参考記事にして頂ければと思います。

 

 

【準備編】

自転車はコルナゴのC-RS、コンポは105

https://www.colnago.co.jp/2019/product/crs.html

コルナゴと言えばカーボン、カーボンと言えばコルナゴ

 

持ち物など

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サイコン、ライト、メンテツール、サングラス、チューブの穴空いた場所を塞ぐパッチシール 、手に付いた油汚れが驚くほど綺麗に落ちるシート、パンク修理キット、CO2ボンベ、ボンベノズル、タイヤを剥がす用のヘラ、チューブ2本、携帯用空気入れ、部屋着

 

あと写真に写ってない部分で、部屋着の下(短パン)、モバイルバッテリー、財布、スマホ、USB電源タップ(3口)、充電用ケーブル類

 

衣類は旅先でコインランドリー探して洗って使い回しました。

 

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こんな感じでバッグは2つ。

 

個人的にトライアングルバッグは必須だと思います。小物を取り出すのにサドルバッグを一々開けるのは面倒ですし、モバイルバッテリーを入れておけばハンドルに取り付けたスマホまで充電ケーブルが届くのもGood。

 

そんな感じで行くわよ!

 

【1日目】埼玉~福島市 287.05km

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朝から出発しようとしたら気温35℃とかあったので暫し様子見、気温が下がった15時過ぎ頃にスタート。

 

出発した時は初日どこまで行くかってのは特に考えてませんでした。

取り敢えず夜通し走るのは決めて、後は体力の続く限り進んで疲れたら休もうみたいなアバウトな感じで。福島には入りたかったので白河か郡山辺りが目標かな~とおぼろげに考えてはいましたが。

 

羽生から昭和橋を越えて群馬に入り、程なくして栃木in。

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真っ暗で良く分からない写真ですが栃木県に入ったのが午後8時頃。

通過Time3時間46分、累計69.55km。

 

そこからは小山市を目指してひた走り、国道4号に合流。

あとは基本的にずっと国道4号を北上して行きます。

 

夜走る利点はこの時期だと涼しいこと、車が少ないこと。

難点は視界が悪いこと、サングラスを付けられないので目のガードが無くて飛び石が怖いこと、幹線道路だとトラックが凄まじい勢いで走ってきて危ないこと、急に動物が飛び出してくること(夜の方が多い)、ライトに虫が群がってくること。

 

まぁ悪いことの方が多いので基本的には昼走った方が良いです。

 

那須高原を越えて福島in

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福島県に入ったのはもう明け方4時頃。

通過Time12時間28分、累計196.50km。

 

この時気温23℃!ここまで来ると流石に寒い。

県境の峠道なので標高もそこそこ高いんですね。

 

ここからは一気に下り白河市にIN、日が登ってきて気温も上がってきます。

さっきまでの肌寒さが嘘の様に暑くなり気付けば33℃

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この後は更に気温が上がり37℃くらいに。

 

少し走っては暑さに耐え切れなくなってコンビニに駆け込みを繰り返し、ロクに進まねぇってことに気付いたのでここで一旦休むことに。

 

小休止してまた夜に走ることを決意しつつ、昼の12時過ぎに福島市のネカフェにin。

 

ネカフェの利点はいつでも入れるところ。ホテルだと大体チェックイン15時以降ですからね、12時に泊めてくれ~って行っても対応してくれない。こういう不規則な旅をする時には案外値段以外の部分でもメリットがあるものです。もちろん値段も安い。3000円くらい。ジュース飲み放題な上に朝はパンとポテトが無料配布されたりします。

 

 

【2日目】福島市~一関市 174.33km

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夜には起きるぞ!と決意したのに17時間たっぷり寝てしまい気付けば朝8時に…

何だかんだ元気だと思っていても疲れは誤魔化せないもの。

慌てて荷物を纏めて出発。


この日は学び多き1日になりました

 

天気は相変わらず晴れていて昼間の気温は35℃くらいの猛暑日

アスファルトから反射する熱にヒィヒィ言いながら北上し程なくして宮城県in

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県境の看板はいつの間にか通り過ぎていたのでここでパシャリ。朝の10時頃。

通過Time42時間17分、累計310.70km。

 

そのまま白石市を北上、名取経由で仙台市に入るのかな~と思いきや突然google mapが県道25号に入るように指示。土地勘が無いので自分で判断することも叶わず、ナビが指示するならこれが最善のルートなんだろうと安易に信じてナビに従いましたがこれが失敗でした

 

幹線道路を外れれば風景は一気に田舎に、旅らしい雰囲気になってきます。

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一面に広がる田んぼ、これぞ宮城!

旅の飲み物はミネラルが豊富な麦茶がオススメです。凍ってる状態で売ってるやつ。
 

市街地を迂回する最短ルートなので車通りも少なく暫くは快適なのですが、走っている内に気付く。この道、コンビニが1軒もない

 

大都市仙台に入るもののこの風景

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宮城の西側はかなりの山岳地帯の様で、起伏も激しく自転車には辛い地形。後から見返したら東北道沿いをひたすら走っていた様です。コンビニどころか自販機も日陰も無い農道をひたすら走らされ、マジで熱中症になるかと思いました。

 

自転車旅はとにかく幹線道路を走ること、そして起伏の少ない道を走ること、最短経路を安易に辿ってはいけないということを痛感しましたねホント。補給のできない真夏の自転車旅はマジで危険。

 

暫く走ると市街地の端っこに差し掛かった様で、何とか九死に一生を得ました。

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仙台に聳え立つ謎の観音様。

聞いた話によると中はSFダンジョンになっているとのことですが真偽は不明です。

 

夕方になると気温も下がってきて快適に、仙台市を抜けた辺りで再び国道4号に合流。

大崎市の辺りで「ひまわりの丘」なる名所があったので立ち寄ってみました。

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一面のひまわり!凄い。42万本咲いてるらしい。

しかしゆっくりしている時間も無いので足早に去ります。

 

日も沈み真っ暗闇の中をひた走り岩手県にin

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真っ暗で良く分からない写真ですが岩手県に入ったのが午後9時半頃。

通過Time53時間53分、累計453.36km

 

県境を越えれば下り坂なので物凄いスピードを出しながら一関市に入りそのままルートインに突入。やはりホテルと言えばルートイン。ルートインと言えばホテル。

 

 

【3日目】一関市~盛岡市 95.25km

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起きたら雨が降ってました。マジか~って感じで。

気温も20℃とかで極寒も極寒、ウェア1枚で走るには寒すぎるってことで暫し様子見。晴れるのを待って10時頃までダラダラしてたら清掃員のマダムの視線が痛くなってきたのでそそくさと出発。

 

この日は目的地の選択にかなり悩んでいて、盛岡じゃ手前過ぎるけど八戸は遠すぎる、じゃぁ間に拠点にできそうな所あるかな~と考えるもちょっと難しそう、みたいな感じで。まぁ疲れも溜まってたしゆっくりするかってことでこの日は刻んで盛岡目標にしたんですが、結果的にはこれが正解だった様な気がします。

 

国道4号をひた走り程なくして平泉町にin

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やっぱ平泉なんだよな~と謎の感想を口にしながらアイスを食べておもむろに通過

 

通り雨にヤラれたりしながら北上し天気も完全回復といったところでついに遠方表示に青森の二文字が出てきます。

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うーん遠い!

岩手まで来ても青森まで256km、岩手の縦の長さを肌に感じつつ進みます。

 

この辺は本当に風景が良い。最高。

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幹線道路沿いでもこれだけの田園風景が見れる。良いですね岩手。また来よう岩手。

 

夕方には盛岡に到着しネカフェにin

疲れも溜まっていたので早めに就寝

 

 

【4日目】盛岡市十和田市 140.25km

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この日もまた目的地の選択にはかなり悩んでました。

 

北海道と本州は陸続きではないのでどこかでフェリーを使う必要があるんですが、この近辺だと八戸、青森、大間の3か所が候補。最初はやっぱ行くなら陸路の理論値でしょ~ってことで大間しか考えてなかったのですが、4日目にして足もかなりパンパンで疲れも溜まってて、八戸で妥協しようかな…という考えも湧きつつの上図のルートマップ。結局は初志貫徹ってことで大間ルートにしたので八戸はやめて十和田に向かいます。

天下の国道4号と言えど盛岡から先は一気に山道、グイグイ登ります。

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岩手町、古き良き田舎道という感じの雰囲気に。

 

この辺りから道沿いには民家も無くなりホントに幹線道路か?って感じの雰囲気になってきます。農道っぽい感じ。建物が無いと今走ってる道が平坦なのか登りなのかも段々良く分からなくなってくる、平坦な気はするんだけど何か前に進まない、気付けば向かい風が吹いてる気がする、逆方向から走ってくる人はやたらスピード出てて快適そう、ってことはこれもしかして登りなのか?良く分からないまま走り続けると突然塗り壁の様な急傾斜に

 

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高低差で見るとこんな感じの道ですね。

 

ジワジワ登りが40kmくらい続く、一瞬の急傾斜よりもこっちの方がキツかったりします。このジワジワ登りからの急傾斜というパターンは関東近郊だと神奈川→山梨の山伏峠(道志みちが似たような感じなので体感したい方はオススメ(?)です。

 

傾斜5%超のヒルクライムを終えて息も絶え絶えになっていると国道4号最高標高地点、十三本木峠に到達。

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あの天下の国道4号の最高地点に居るのか…と思うとちょっとした感動。

このレベルの登りが潜んでいるとは思わなかったので3日目無理してたらと思うと危ないところでした。いやはや。

 

近くにはいわて銀河鉄道の駅もあります。

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ん~やっぱり奥中山高原なんだよな~と謎の感想を呟いていたら地元民と目が合ってしまったのでそそくさと退散。

 

この後は一気に下ります。

ただ路面状態があまり良くないのでハンドルを握る手がめちゃくちゃ疲れる

 

二戸市を通過して青森県にin

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夕方5時くらいだった気がします。通過Time96時間25分、累計651.11km

 

丁度この写真撮ってるタイミングで母親から電話があり、今何処居る?たまには実家に帰ってきなさいと言われ今青森だと言うとおめぇわよぉ~と言われて切れました。すいません

 

峠のせいであまり距離が稼げてないので日が沈んでもグイグイ走る、青森に入ると平坦な道が多くて案外ラクな感じ。

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とわだぴあで有名な十和田市に到着。

 

道の駅でファンタを飲んでいると店員の女性が無言でシャッターを降ろし始めるなど早く出ていけオーラを出してきたのでそそくさと退散しルートインに駆け込む。やはりホテルと言えばルートイン。ルートインと言えばホテル。

 

 

【5日目】十和田市むつ市 91.39km

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むつ市から先は何も無いのでこの日の目標は早々に決定。

 

行き当たりばったりでホテルが取れなかった場合に詰んでしまう場所なので流石に前日夜の段階でホテルを押さえる、この旅で初めてホテルを前日に取りました

 

ホテルも無事取れたので9時頃に出発。距離も短いのでゆっくり北上します。

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下北半島の入り口、野辺地町に到着。野辺地をアイヌ語で言うとヌプンペッらしいです。ヌプンペッ。覚えておきましょう。

 

国道4号は西に折れて青森市街に向かってしまうので694kmポストでお別れ

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いずれ4号線走破ってのもやってみたいですね

 

4号線を逸れると一気に風景は田舎道に変化、既に相当な田舎道ではあったけど何だかんだ4号は幹線道路だったんだなと思わせる感じで本当に何も無くなる。こんなところに舗装路があるのが不思議なくらい何も無いのでいよいよもって最果て感がmaxに。

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この殺風景、これぞ下北半島という感じ。

 

この日は曇りで日差しも弱く、下北半島自体が偏東風のお陰で年中涼しいこともあってかなり快適な1日でした。カモメとカラスが餌を取り合ってるのを横目に見ながら北上し程なくしてむつ市にin。

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本州最北端の駅、下北駅に到着。めっちゃ人居ました。

ホームを覗こうとしたら駅員に追い出されたのでそそくさと退散しホテルin。

 

 

【6日目】むつ市~八雲町 122.66km

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この日はいよいよ北海道!ってことで気合入れて起床。フェリー港のある大間町までは40kmちょいあるので足早に出発。 

 

この辺りから漸く道行く人達の”雰囲気”が変わってきます。

 

というのも今までは如何に田舎道と言えども市街地を結ぶ幹線道路、お盆とは言え平日ですし自転車に乗る人の中には普通に通勤手段として使ってる人も居るので、あまりそういう旅行者同士のコミュニケーションという感じにはならなかったんですね。でもここから先は岬とフェリーがあるのみ、通るのはほぼほぼ旅行者だけになります。対向車線のサイクリストも皆にこやかに手を振ってくれる様になり、愛とピースのチャリンブルーファンタジーを全身に感じながら大間町に向かいます。

 

程なくして本州最北端、大間崎に到着。

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んん~良い天気!最高のロケーションでした

 

フェリーが12時過ぎに出航ということもありゆっくりする間もなく移動、フェリーターミナルに向かいます。

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港には既にフェリーが停まっておりいよいよ北海道に出荷されてしまうんだなという雰囲気。フェリーは色々乗ってきましたが大間⇔函館航路は人生初なのでそこも含めてテンションage↑age↑

 

チケット売り場に行くと空きがギリギリで案外危ないところでした。やっぱりこの時期は渡航者めちゃくちゃ多い。

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自転車積み込み料込みで3770円

大洗や新潟から乗ると2万円くらいなのでまぁホテル代等々差っ引いたら早めにフェリー乗った方が安くはあります。

 

自転車民の待機所に行くと全身真っ黒に日焼けした大学生がポツンと1人

話し掛けるとなんと地元が同じ!同じく自転車漕ぎ続けて大間まで来たそうです。道中何処通ったとかココがキツかったとかで分かり合え過ぎてフェリー降りるまでずっと話してました。凄い偶然だなぁとしみじみ。

 

1時間半ほどで函館港に到着、同郷の彼に別れを告げいよいよ北海道に上陸!

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上陸Time142時間12分、累計838.12km!

 

気分的に函館で一泊したいところですが翌日の拠点を考えるともう少し進んでおかないと厳しいということで足早に出発。目指すは八雲町。

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北海道の道は広い!路肩も車道並みに幅があってめちゃくちゃ走りやすいです。

遠方表示に札幌が見えるもののかなりの距離、改めて北海道のデカさを感じつつゆっくりと北上。

 

程なくして八雲町に到着。

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北海道と言えば海鮮!ということで地元の定食屋に入って刺身定食を頼んでみました。この量で1200円、うーん安い。俺がいつも食ってるカレーの半額くらいですカレーたけぇな

 

 

【7日目】八雲町~札幌市 197.98km

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この日のルート取りはかなり迷いました。 

最初は5号線走り続けて羊蹄山越えるか、或いは洞爺湖経由で定山渓越えるかで考えていて、これらのルートだと共に170kmくらい、ただ獲得標高が場合によっては2000m級というかなりエクストリームな事になってしまうので、ここは海岸線沿いを大回りして平坦な道を取ることに。

 

この日は朝から曇りで雨も微妙に降っていて気温18℃とか極寒も極寒、アラスカ級大寒波に見舞われ身も心も震えながらコンビニでホットコーヒーを飲んでいるとレジの対応が悪いとかでマダム3人衆が店員にブチ切れ長万部の怖さを思い知りました。

 

長万部から内陸に入り黒松内町に差し掛かると徐々に天気が回復。

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んん~ちょっとだけ晴れ!

 

そのまま内陸を進み西海岸に出て寿都町にin。いよいよもって良い天気に。

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海岸沿いの崖上にポツンと設けられた鳥居。

ここを祈りながらくぐればいつでも晴れを呼べる様になるのでは?そんな思いに浸りながらくぐってみましたが何も起きませんでした。

 

そのまま西海岸沿いを北上し岩内町に到着、神威岬に向かうかめちゃくちゃ悩みましたが今回は断念して内陸に入り共和町を経由して余市町から小樽市in。神威岬はめっちゃ良いところらしいです。今度はちゃんと時間作って行ってみたいところ。

 

あとこの辺りで走行距離計がカンストの999.99kmに初めて到達、どうなるのかワクワクしながら眺めてましたが何の感慨も無く0.0kmに戻りました

 

せっかく小樽に来たので海鮮丼を食べる。

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小樽と言えば海鮮丼、海鮮丼と言えば小樽。

この無造作に添えられた山葵の塊にも道産子の品格と矜持が込められている…そう感じさせられる逸品でした。

 

店を出た時には既に夜の7時を回っていて辺りは真っ暗、札幌までの40kmは寒いんだろうな~と思いつつも間にはしっかり峠道があって汗だくになりながら走り抜け9時半頃にネカフェin

 

 

【8日目】札幌市~留萌市 136.53km

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この日は留萌に泊まると決めていたので予め宿を取り出発

石狩経由で海岸線沿いを進んでいくと10kmくらい短くなるのですが、獲得標高1000mくらいの軽い山越えになってしまうので迂回し内陸を進むことに。

 

台風10号接近の影響でめちゃくちゃ風が強くて吹っ飛ばされそうになりましたが気合で噛り付いて進み続けます。

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北欧の風 道の駅 当別

しかし今吹いているのは確実に台風の風

 

風向きが南東→北西という左上方向の風だったので序盤こそ向かい風だったものの進路が徐々に北に向くにつれて追い風になり後半はかなりラクな状況に。

 

ノッてきた辺りで北竜町に到着

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良くもまぁこんなところにこんなもの建てたなって感じの大層立派な北竜門

中に入ると見知らぬマダムがトマトジュースを沢山くれるらしいです

 

雲行きも怪しくなってきたのでササッと通り抜け峠を越えて留萌市in

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北竜町留萌市へ続く美葉牛峠

峠とは名ばかりのちょっとした丘って程度の登りでしたがロングラン8日目の体にはまぁまぁ堪えます。

 

そのまま緩やかに市街地に下り見掛けた地元のラーメン屋「萌」にin

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やはり留萌と言えば萌、萌と言えば留萌。

辛味噌つけ麺がイチ押しということで食べてみましたがまぁまぁそこそこかなり辛くて死にそうになりました。

 

 

【9日目】留萌市稚内市 187.52km

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距離は長いですが優雅なオロロンラインを北上するというロケーションの面では最高のルート。実質最終日のこの日はウィニングラン気分で走るつもりでしたが、結果として今旅最も地獄を見たのがこの日でした。

 

朝の7時過ぎに留萌を出発しゆっくりと北上。

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ここに来て初めて最北の地名「稚内」の二文字が!

いよいよだな~と思いつつも先ずは手前の羽幌を目指します。

 

途中の道の駅小平(おびら)では綺麗なアーチ型の建造物が。

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んん~最高の眺め。手前の銅像は何か偉い人らしいです。

 

羽幌では同じく道内を旅していた20年来の学友と再会。道内の湖岸でテント張って釣りして回っていた様です。良い夏休みだ。

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そのまま羽幌のフェリーターミナル内の海鮮丼屋に流れ込みここでも1杯。

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羽幌は甘えびの名産地らしい。やっぱ甘えびと言えば羽幌だよな~~と言いながらイクラ丼を食べました。イクラも美味い。

 

旧友と別れそのままオロロンラインを北上、言うて台風とかまだまだ来ないやろと余裕かましながら遠別町にin

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ちょっと雲が多いのが気になるもののまだまだ晴れ間も覗いており良い天気。

稚内まではまだ90kmくらい。

 

この辺りから徐々に風が強くなり雲行きが怪しくなってきます。

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天塩町にin。

 

看板にもある通りこの辺はめっちゃ牛居ます。道端にもナチュラルに牛居てモーモー鳴いてる、そしてこの時既に風が相当強くビュォービュォー吹いてたので牛の鳴き声と合わさって凄まじい喧騒、これが俗に言うモービュォー現象かと実感しながら北上するものの稚内まではまだ70kmくらい。

 

凄まじい風に耐えながらも豊富町にin。

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この辺りから風が激ヤバ状態になり牛も飛び始めます

 

風はほぼ真東から真西に向かって吹いている様で、道は東西に振れながら北に伸びているので体感の風向きは目まぐるしく変化、特にこの辺りは冬場のブリザード対策の為に道沿いに防雪柵が建っていて、その柵に沿って風の流れが変わるので逆風にしても追風にしても影響がモロになります。

 

ロードの平地時速が仮に25km/h巡行として、この時向かい風を食らうと10km/hで割とキツ目のヒルクライム並の速度まで落とされました。追風の時の速度はちょっと人に言えないくらい

 

そのまま嵐の中を突き進み真っ暗闇の中ようやく稚内市にin!

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看板が見えた時は思わず吼えました。この時かなり限界来てた様な気がします。

 

が、ここから市街地まではまだ20kmあって、ここからが一番キツい区間でした。既に陽は落ち街灯も民家も無く暴風やばいしついには雨も降ってきて視界ゼロの中で、遥か遠くの風力発電のプロペラだけが煌々とライトアップされて爆速で回転してるのは正にこの世の終わりって感じで

 

市街地に付くのが先か台風に吹っ飛ばされて天塩川で魚の餌になるのが先かという中で何とか市街地に到着。

 

次の日は丸一日台風直撃だったのでこの日が実質最終日になるということで、最終的に走行距離計はこんな感じになりました。

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一周してるので実際は1433.42km
9日間で1433.42kmなので1日平均159.27kmという進行速度になりました。

 

 

【10日目】稚内市宗谷岬 約30km(バス移動)

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朝起きて外見たらこの世の終わりみたいな天気で軽く絶望、昨晩の時点ではここまで来たら最後まで自転車で行きたいよな、言うてたかだか30kmくらいならチョロでしょ!とか思ってましたがそんな気持ちは一瞬で吹き飛びました

 

まぁでもホテル出た瞬間は勢いで走り出してみたんですけどね。1分で引き返しました

 

稚内駅に駆け込みどう動くか暫し考えつつ。

稚内駅は道の駅とバスターミナルと併設されていて、中には土産屋や映画館もありちょっとしたアミューズメント施設化しています。

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折角なので駅で1枚。

 

駅からは宗谷岬から浜頓別を経由して音威子府まで向かうという中々の距離を走るバスが1日6本くらい出ているので、自転車をバラして輪行袋に詰め込みバスで移動し、宗谷岬で組み立てて写真を撮る計画に変更。

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片道1250円、往復2500円。まぁまぁ良い値段します

 

バスにはそこそこの人数が乗っておりいずれも地元民という感じの風貌、稚内から宗谷岬の間には声問という地区があるので生活路線として使用している人も居るのかも知れません。こんな大嵐の中自転車担ぎこんでバスに乗ってるのは俺だけでした

 

程なくして宗谷岬に到着。

 

降りてみたらとんでもない強風で体重軽い人はマジで飛ぶレベル。後から調べたら宗谷岬はこの日のこの時間帯、全国で一番風強かったみたいです。16m/sだったかな

 

最北端のモニュメントに自転車を立てかけて何とか撮影を試みようとするものの一瞬で吹っ飛ばされてしまいどうしようもない感じ。そもそも自分自身が立ってるだけでも精一杯なのにコレはもう無理だろうと諦めていたら通りすがりの青年が写真を撮ってくれるということでめちゃくちゃ助かりました。いやホントに助かった。写真の為だけに2500円掛けて岬まで来たのに写真撮れずに帰る可能性がマジであったので

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ということで日本最北端の地に到着

 

写真撮ってくれた彼もこの嵐の中リテイクは無理だろうと判断したのか凄い勢いで連写してくれたみたいで11枚撮れてました。ナイス判断です。ありがとうございます。

 

この時の宗谷岬は風雨もさることながら気温も16℃と極寒も極寒、液体窒素並の大寒波でガタガタ震えながら自転車をまたバラし直して帰りのバスに乗り込みました。

 

そのまま一度稚内駅に戻ってから再び空港行きのバスに乗り込み稚内空港へ、ここからは自転車を積み込んで飛行機で帰ります。

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外を見ると空気が波打つ程の大嵐になっており本当にこの中で飛行機は飛ぶのか?と心配にもなりましたが案外普通に飛びました。稚内から羽田まで2時間弱。9日間掛けて走ってきた道が2時間で帰れてしまうのかと思うと中々感慨深いものがありました。

 

羽田に戻ってくると気温は33℃で灼熱も灼熱、早くも稚内が恋しくなりつつ自転車を積み込み電車で移動、地元の駅で自転車組み立てて自宅まで帰還。

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そんなこんなで無事に帰還!

 

因みに消費したカロリーは約22000kcal、帰ってきたら体重5kg減ってました

ダイエットしたい人は自転車乗って北海道行くのが手っ取り早いと思います。

 

 

【まとめ】物理的に走れなくなるリスクさえ回避すれば後は何とかなる!

 

勢いだけで〆ようかなとも思いましたが、このブログを見てロングランやってみようと考える人も居るかも知れないのでちょっとだけ真面目な感じで。

 

割と行き当たりばったりでも何とかなる気はしますが以下2点だけは気を付けた方が良いと思いますし、適当な自分でもこれだけは事前に備えた部分でした。

 

①サドル選び(ケツの痛み対策)

②パンク対策

 

①は既にロード持ってて乗ってる人なら常日頃痛感してると思います、サドルの硬さによるケツの痛み。1日だけなら気合で何とかなりますが連日となるとそうは行かない、サドルが合ってないと2日目以降激痛が走って自転車に跨ることすら無理という可能性も真面目に有り得ます。なのでロングやる場合は事前に自分にあったサドルの硬さ(と角度)を見つけ、実際に丸1日そこそこの距離(100kmくらい)走って翌日に痛みが残るか否かの実験はしておいた方が良いと思います。

 

②は言わずもがなですが入念に。自分は今回幸いにもパンクしなかったので持って行った予備パーツの中で使ったのは空気入れだけという幸運な結果に終われましたが、人里離れた山中でパンクして直す手段が無いと最悪レスキュー呼ぶ羽目になるのでパンク対策は過剰なくらいにしていった方が良いと思います。

 

と言う感じで!

 

最後若干真面目な感じになりましたが自転車で北海道というのは本当に一生の思い出になるし体力のある内にしかできないと思うので、機会があったら是非!

 

おしまい。